2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
柔道と相撲 柔道と相撲はどちらも日本で生まれた伝統的な格闘技であり、スポーツです。しかし、現代社会では全く違う状況下に置かれています。柔道は世界でも人気のスポーツで、オリンピックの種目になっており、世界中で本気で金メダルを目指す人が沢山いま…
おかずと「料理」の違い 賄い(まかない)は調理に慣れるということを考えたとき、とても重要な仕事であると以前に書きました。 しかし、賄いはお金の取れる「料理」ではありません。 我々が目指すべき「料理」とは、季節感にこだわり、素材にこだわり、調理…
中国人観光客による京都のミシュラン三ツ星店の評価 日本に上陸したときは賛否の多かったミシュランガイドですが、今ではすっかり恒例行事として定着したように思います。 「京都・大阪 2018年版」も11月10日に発売され、注目している方もいるのではないでし…
お造りについての3回目の記事です。 1回目、2回目も合わせてご覧ください。 お造りと醤油 醤油は日本独特の調味料でありながら、日本料理に必要不可欠な調味料です。特にお造り・刺身はその最たるものでないでしょうか。 お造りという料理が発展・普及した理…
前回の記事ではお造りの、主に魚の扱い方について書きました。 今回は「あしらい」について書いていきたいと思います。 前回の記事をご覧になってない方は、そちらも合わせてご覧ください。 「あしらい」について あしらいとは あしらいとは、料理の盛り付け…
「お造り」について考える 献立の流れの中においての「お造り」について考えていきたいと思います。「造里(つくり)」と表記したり、「刺身(さしみ)」と呼んだりもします。参考記事:【料理の語源】「造り」と「刺身」の違い単に魚介類を切り身にしただけ…
「賄い(まかない)」とは 既にご存知の方も多いですが、賄い(まかない)とは、従業員のための食事のことです。昼夜の営業と片付けが終わって、夜の営業までの間の時間や、職場から帰る直前に食べることが多いです。 お店によって色々なルールがあると思い…
雑用仕事の大切さ どんな調理場でもそうだと思いますが、働いていると雑用仕事は本当に多いです。 特に就職して1年目2年目という人は、朝から夜まで雑用ばっかりで1日が終わるというような人もいるんでは無いでしょうか。 調理場の中を動き回って"追い回し"…
なんでお店が儲からないのかを僕が解決する作者: 堀江貴文出版社/メーカー: ぴあ発売日: 2016/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 飲食店の経営に関する本は山ほどあれど… 書店に行けば飲食店の経営に関する本は沢山あります。 だいた…
煮物椀について考える記事の4回目になります。 今回でお椀に関しては最終回です。 前回までの記事をご覧になってない方はそちらまどうぞ。 色々な種類の吸い地 お椀に使われる吸い地は「澄まし仕立て」が多いですが、それだけではありません。 色々な種類の…
煮物椀についての3回目です。 1回目2回目をまだの方はそちらからお願い致します。 吸い口について考える 「吸い口」とはお椀に入れる香りのもののことです。 木の芽や柚子、茗荷やすだち、生姜などが多く使われます。季節感。香り。味のバランスの調整。盛り…
椀種について考える 前回は吸い地についての記事を書いています。 まだご覧になってない方はそちらも合わせてお願いします。 今回は椀種について考えて行こうと思います。 「煮物椀とは具をメインにした吸い物」であるという風に思われている方もいるかもし…
「煮物椀」について考える 「煮物椀」についてです。 単に「お椀」と呼んだり、「椀物」「椀盛」と呼んだりもします。参考記事 煮物椀と造りを合わせて「椀刺し(わんさし)」と言って日本料理のメインとなる料理です。お店、料理人の包丁の技術が試されるの…
「煮物椀」と「吸い物」の違い 「煮物椀」と「吸い物」の違いです。 実際に日本料理の現場で仕事をしている人間の感覚でいえば、「煮物椀、椀物」と「吸い物、汁物」とは大きな違いがあるように思います。 調理場のエライ人の「なんやねん、このお椀。汁ちゃ…
もはや人間はコンピュータに勝てない 「ロボットに奪われる仕事」なんて事を言うと、抵抗がある人もいるかもしれません。 しかし、ロボットやAIの進化は、人間に勝つのは絶対不可能と言われていた囲碁や将棋では世界のトップに勝つようになりました。 また、…
「先付」についての考察の3回目です。 1回目、2回目を読まれてない方はそちらからお願いします。 「先付」でお客様の特徴を把握する 先付というのいうのは、お客様に取ってお店の第一印象であると述べました。 しかし、同時にお店にとってもお客様の第一印象…
前回の記事の続きです。 前回の記事をご覧になってない方はこちらから 続・先付の条件 さて、先付に必要な条件の続きです。 季節が感じられる 日本料理と言えば季節、季節、季節。 献立を考える立場の人は、毎日季節の事を考えている、季節を何よりも大事に…
最初の料理について考える 「先付」についてです。 お店によって「前菜」と呼んだり、「突き出し」と呼んだり、「向付」と呼んだり、また「先八寸」だったり、呼び方は色々ですが、それは一旦置いておきます。 コースの一番最初の料理について考えようと思い…
「ミシュランガイド京都・大阪」の三ツ星常連の未在(みざい)に行ったときの話。 この店を評して、主人の石原氏の名前から「石原劇場」という方がいる。しかし、私はそれは違うと思う。ここには思わずドキッとするような名台詞も、派手なアクションも無い。…
ネガテイブなイメージの料理の世界 日本料理の板前の世界というと、どんなイメージを抱かれるでしょうか? 「厳しい」「しんどい」「辛い」「修行」 こんな言葉が並ぶ方も多いのでは無いかと思います。最初は雑用&洗い物ばっかり、すぐに怒鳴られるし、殴ら…
前回の記事の続きになります。 「炊く」とは最も重要な調理の技法 「炊く」という調理方法は、日本料理の中でも最も重要な調理方法でないかと思います。「焚き合わせ」はもちろんですが、広義で考えれば、出汁を引くことも、ほうれん草のお浸し、鴨ロース、…
「炊く」とは加熱と味付けを同時行う 「炊く」とは加熱と味付けを同時に行う調理方法です。これが一番のポイントです。 今まで書いてきた「切る」「蒸す」「揚げる」「焼く」は味付けとは関係ありませんでした。「塩焼き」とか「タレ焼き」なんかはあります…
「焼く」という加熱方法は、最も原始的な調理でないかと思います。しかし、単純で原始的なことこそ、難しいのです。理由は「だし」の項でも書いた通りです。参考記事:【「だし」について】 基本編 その1 - ガストロノミー.work 色々な場面での「焼く」 日本…
「揚げる」の3回目です。 素材の下処理について それぞれの食材によって方法が違うので、一概にいうことは出来ませんが、基本は「切れ目を入れて油の通りを良くする」「水分をある程度切っておく」「空気の抜け穴を開ける」などでしょうか。 私の友人で以前…
前回の続きです。 なぜ揚げ物は難しいのか 前回の記事では「揚げる」ことは「蒸す」ことに似ていると書きました。 単に油で揚げるだけの料理なので、蒸すことと同じように、温度と時間の管理さえ出来れば揚げ物は出来るようになるはずです。しかし、やってみ…
蒸すことと揚げることは似ている 揚げることは蒸すことに似てるのではないかと思っています。蒸す場合は蒸気、揚げる場合は油という違いはありますが、均一の温度の熱エネルギーで素材を加熱するという点では同じだからです。参考記事 蒸すことと揚げること…
「出汁」についての話です。 前回までの記事は下記の通りです。 出汁について、一つ重要なポイントは同じ味の出汁は二度と引けないということです。 不思議なもので、全く同じ量の水と昆布と鰹節の量で出汁を引いたとしても、毎日味が変わります。昨日と今日…
前回の記事の続きです。 前回も少し触れましたが、蒸すことによって味は入りません。つまり、味付けと加熱を別々に考える必要があります。蒸す前や蒸した後に塩を振ったり、味付けした出汁に浸しながら蒸したり、蒸し上がった後に「あんかけ」にしたり、別添…
私の知る範囲だけの話かもしれませんが、献立の中に「蒸し物」を常に入れているという店は少ないように思います。献立を立ててみて、何か少し物足りないと感じたら「蒸し物」を一品入れてみたり、秋口の松茸の季節になると椀物の代わりに土瓶蒸しを入れてみ…
人間は猿から進化したことは誰でも知ってます。では、猿が人間に進化した原因を知っている方はいらっしゃるでしょうか? 一説には「親指」の存在だと言われています。親指があったからこそ、色々な道具を使いこなせるようになったり、木に登れるようになった…