美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

事業に関わる「お金」のリアル【第8話】「恐怖の原因は無知である」

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どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。

料理人の皆様の中には、独立を目指している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれません。

料理人の方に限らず、事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。

お金についてのブログ連載の記事になります。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」

今回は第8話です。

前回まではこちらになります。
事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
事業に関わる「お金」のリアル【第1話】「金融リテラシーを身に付けろ!」
事業に関わる「お金」のリアル【第2話】「平時の兵法 有事の兵法」
事業に関わる「お金」のリアル【第3話】「融資は投資」
事業に関わる「お金」のリアル【第4話】「関係者に優先順位をつける」
事業に関わる「お金」のリアル【第5話】「金融機関の行動原理を知る!」
事業に関わる「お金」のリアル【第6話】「法的整理はしちゃいけない!
事業に関わる「お金」のリアル【第7話】「勝ち続ける人生なんか無い!」

それでは、今日もよろしくお願いします。

金融機関への返済を止めるときに知ってほしいこと

今までの連載記事を読まれた皆様の疑問。

「金融機関への返済をストップさせる。」

「そんなことって本当に出来るの?」ということでないでしょうか?

今日はそちらについて書いていきたいと思います。

恐怖の原因は無知である

恐怖を感じる理由とは?

銀行に返済を提示するという決断をするとき、
まず最初に感じるのは恐怖でないでしょうか?

「もはや返済を止めるしか資金繰りの改善策は無い。」
「でも、返済して銀行と揉めるのは怖い。」

この無限ループに陥ってしまって身動きが取れなくなってしまう気持ちはよくわかります。
(業界用語で地蔵と言います。)

恐怖を感じる最大の原因は無知であることです。

未来に何が起こるか事前にわかっていて、適切な対策を取ることが出来れば恐怖を感じることは無くなります。

知識があれば、少なくとも「恐怖」「不安」ぐらいにすることは出来るのでは無いでしょうか。

債務者が想像する「怖いこと」

最初に結論から言います。

安心してください。

心配していた事の9割以上は起こりません。

あなたがどんな事を心配しているか、
(というより、私がどんなことを心配していたか
少し書き出してみましょう。

・銀行から執拗に電話が掛かってきて「返せ!」と言われる。
・銀行が会社や自宅に押しかけて来て「返せ!」と言われる。
・毎日のように書面が送られてくる。
・財産を差押えられる。
・イカツイ怖い人がやって来て大声を出して暴れる
金目の物品を勝手に持っていかれる。
裁判を起こされて強制的に支払いさせられる。
身柄を拘束されて強制労働させられる。
・返済状況を色んな人にバラされる
・無理矢理、倒産させられる。
自己破産を強要される
・今後の人生で得た所得は、一部の生活費を除いて全部返済に充てられる

こんなところでないでしょうか?

実は会社の廃業後に、債権者から自宅に電話が掛かってきたことはありました。
でも、非常に落ち着いたトーンで「ご融資の返済の件、いかがでしょうか?」って感じだったし、

「自宅に電話されても、家族の者はお店のことは一切わかりません。」って一言言えば、その日は何も言われずに終わったよ。

シツコく電話してくる業者もいたけど、ちょっと困らせてやろうと思って、「(社長である)父は自殺しました。(本当は自殺していない)」って言ったら、もうそれから二度と電話してくることは無くなったよ。


たまーに書面が送られてくるぐらいで、漫画やドラマみたいに別に怖い人が自宅にやって来て・・・、なんてことは一切無い

「自力救済の禁止」

「自力救済の禁止」という法律的な概念があります。
自力救済 - Wikipedia

簡単に言えば、「権利者は契約相手が契約に反する行為をしたとしても、自分で強引に契約内容を守らせるような行為はしてはいけない。必ず、裁判所の許可を得てから行動すること。」

こんな内容です。

こういう法律がなければ、暴力恐怖で従わせる力こそ正義みたいな、北斗の拳的な世界になってしまいます。

詳しいところに興味がある人はWikipediaを見てください。

「貸金業法 21条」

そらから「貸金業法」という法律の21条にこんな条文があります。

「債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない」

貸金業法21条についての解説は下記のサイトが非常にわかりやすいです。

銀行への返済を止めたとき、上に挙げたような「怖いこと」ってのは、ほとんど起こらない。
法律で明確に禁止されています。

10項目ぐらい禁止事項があって、債務者が想像するような「怖いこと」は、ほとんど禁止事項の中に網羅されてる。

一度、上のサイトを見ていただくことをオススメします。

契約不履行は犯罪でも何でもない

第3話でも書いた通り、「融資は投資」なんです。
借りた金を返せなくなったとしても、逮捕されたり身柄が拘束されたりするなんてことは絶対に無い

投資の失敗は自己責任というのが世界の常識。

つまり、返せなくなる奴に融資した金融機関の責任です。

株式を上場している会社の経営陣が、株価が大幅に下がるような事故を起こしたとしても逮捕されたりしませんよね?

せいぜい引責辞任したりする程度です。

「債務の返済が滞る」こと。
それは単なる契約不履行。それだけの話。

電気代や水道代が払えなくなったら、電気や水道を止められることはあっても、逮捕されることは無いですよね?

それと同じです。

次回へ続く。
事業に関わる「お金」のリアル【第9話】「債権者が実行できる回収行為とは? ①」

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「借りた金は忘れるな。貸した金は忘れろ」
田中角栄

金融機関以外への迷惑は絶対に避けましょう!

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