安室奈美恵と"平成"について
別に安室奈美恵のことは好きでも嫌いでもないんだけど、「CAN YOU CELEBRATE?」を聞くと泣きそうになる。
小室哲哉の時代というのが確実にあった。あのとき、音楽を聞く手段というのはテレビであり、CDであった。
「平成」が終わろうとしている。その意味は、単に天皇が退位するとか、書類に書く言葉が変わるといっただけでない。個人的な話だけれども、テレビは殆ど見なくなって、その隙間をスマホで見るヤフーニュースやyoutubeやFacebookやTwitterが埋めてしまったし、CDも買わなくなって音楽はダウンロードするようになった。
世界は変わってしまったし、きっとこれからも変わり続けるだろう。
「『永遠』ていう言葉なんて 知らなかったよね」
スピーカーの向こうで平成の、小室哲哉の時代の、テレビの時代の、CDの時代の、象徴が全霊を込めて歌っている。
変わってしまったもの、終わった時間は二度と帰ってこない。そんなことはわかってるのに、永遠の愛を歌う19歳の少女の声を聞くと涙が出そうになる。
「永遠」なんて何処にも無いことを僕たちは知っている。世の中は変わり続ける。きっと僕も変わり続けるだろう。洗濯板が売れなくなったことを嘆くより、洗濯機を使うことに喜びを感じる人間でありたい。
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