美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

事業に関わる「お金」のリアル【第11話】「動かせるものは動かそう」

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どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。

料理人の皆様の中には、独立を目指している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれません。

料理人の方に限らず、事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。

お金についてのブログ連載の記事になります。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」

今回は第11話です。

前回まではこちらになります。
事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
事業に関わる「お金」のリアル【第1話】「金融リテラシーを身に付けろ!」
事業に関わる「お金」のリアル【第2話】「平時の兵法 有事の兵法」
事業に関わる「お金」のリアル【第3話】「融資は投資」
事業に関わる「お金」のリアル【第4話】「関係者に優先順位をつける」
事業に関わる「お金」のリアル【第5話】「金融機関の行動原理を知る!」
事業に関わる「お金」のリアル【第6話】「法的整理はしちゃいけない!
事業に関わる「お金」のリアル【第7話】「勝ち続ける人生なんか無い!」
事業に関わる「お金」のリアル【第8話】「恐怖の原因は無知である」
事業に関わる「お金」のリアル【第9話】「督促状・催告書のリアル」
事業に関わる「お金」のリアル【第10話】「財産の差押えのリアル」


それでは、今日もよろしくお願いします。

さて第10話の記事の最後では"動産"の文字通り動かし方について書くと予告しました。

"差押え"なんて言うとビビってしまう人が多いですが、その実態は非常に単調でゆっくりしたものです。

対策さえわかってしまえば、別に恐ろしいことは何もありません。

債権者が差押え可能な財産のうち、"動産"になるものは5種類です。

つまり、

1.給与
2.現金
3.在庫(換金性のある物品)
4.売掛金
5.有価証券

「差押えの対象」が決まっているのですから、サッカーで例えたら、相手が蹴ってくる場所がわかってるPKのキーパーをやるようなものです。
自分が得点を入れることは出来なくても、失点を減らすことは出来ます。

順番に動かし方を解説します。

1.給与

給与は債権者にバレないように転職すればいいです。
自分が事業主なら、自分で自分の報酬を差押えるようなバカはいませんよね?

2.現金

これは正確に言えば"銀行口座に入っている現金"になります。
銀行にお金を入れなければ問題がありません。
家にどれだけ札束があろうと、わざわざ裁判所は家宅捜査などしません。
支払いなどで、どうしても銀行を使う必要があるかもしれません。支払い日の前日の夜に必要な金額だけ入金しておけば大丈夫です。

3.在庫(換金性のある物品)

換金性のある物品も実は限られています
貴金属・車輌・洋酒といったものです。
そのあたりを持たなければ何も問題ありません。
私は飲食業でしたが、数百万円分の"冷凍庫の中の食材"などは何も持って行かれませんでした。
換金性が無いと判断されたのでしょう。

4.売掛金

売掛金は売掛金がなければ差押えられません。
「債権譲渡」という手段があります。
妻でも母親でも誰でもいいので、連帯保証人になっていない親族に債権譲渡してしまいましょう。
詳しい方法は会計士や税理士の先生方にご相談ください。得意なはずです。

5.有価証券

有価証券のうち、株式や投資信託、国債などは全部現金化してしまいましょう。

有価証券のうち、現金化の難しいものは生命保険です。解約すると色々と将来が不安だという人もいるでしょう。
実は生命保険は電話1本で契約者変更が出来ます。
これも妻や母の名義に変えてしまいましょう。
保険というのは「契約者の財産」という扱いになります。被保険者や保険金受取人は全く関係ありません。
契約者に債務が無ければ差押えの対象になりません。
今の保険契約をそのまま残すことができます。

まとめ

どうでしょうか?
動産に関しては簡単な作業を積み重ねていくことで差押えを回避することが出来ます。
「取られるモノが何も無い」という環境です。

転職して銀行にお金を入れない。
生命保険やクルマは連帯保証人でない親族の名義にする。
たったそれだけで不動産以外の差押えを回避することができます。

多くの人は事業が上手くいくと色んなモノを、必要以上な大きな家や高級車などを所有したがります。
好調なときは良いでしょう。
でも、必ず悪くなる時代が来るんです。
勝ち続ける人生を送れる人は一握りなんです。

そのときに所有した色んなモノが足かせになってくるのです。