美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【「だし」について】 基本編 その3

出汁についての3回目の記事です。 前回までは下記の通りです。 出汁についての考察をさらに進めていきたいと思います。前回の記事で二番出汁の役割は旨味であるということを書きました。一番出汁はそれ自体がメインとなるものでしたが、二番出汁は料理をバッ…

【「だし」について】 基本編 その2

前回に続き、出汁について考察します。前回の記事はこちらから。 日本料理で使う出汁(だし)には大きく分けて二種類あります。いわゆる「一番出汁」と「二番出汁」です。 一番出汁は主に「椀物」の吸い地に使います。「二番出汁」は主に色々なものを炊くと…

【「だし」について】 基本編 その1

「出汁(だし)」は日本料理の命と言われます。書店に行って、初級者向けの日本料理の本を読んでみれば、必ず最初の方で「出汁の取り方」が書かれていると思います。では、その出汁とは何なのか、突き詰めて考察していきたいと思います。出汁は様々な料理に…

【調理の技法 第1回】「切る」 その2

今回は切るということが最も重要な要素になる「お造り・刺身」を「切る」ということについて書いています。 前回の記事をお読みでない方は、まずはそちらからご覧ください。 その前に、「造り」と「刺身」の違いについては別記事で書きましたので、そちらを…

【調理の技法 第1回】「切る」 その1

今回から数回にわけて日本料理の調理の技法について書いていきたいと思います。調理の技法と言えば、「焼く」とか「揚げる」とか「炊く(焚く)」などが最初に連想されると思います。第1回の今回は、その中でも少し盲点になりがちな「切る」ことに焦点を当て…

【料理の語源】「造り」と「刺身」の違い

「造り(つくり)」と「刺身(さしみ)」は、ざっくりと簡単に言えば、どちらも生の魚貝類を切り身にして、口に入れる直前に醤油や山葵などをつけて食べる料理です。「造り」は「造里」と表記することもあります。魚貝類だけでなく、牛肉や馬肉、鶏肉、レバ刺し…

世界の名物 日本料理

日本料理を代表する店のひとつである吉兆の創業者の湯木貞一が「世界之名物 日本料理」という言葉を残しています。その言葉から数十年、疑うことなく、日本料理は世界に誇れる文化だと思います。それを絶やさないようにするのが我々の役目です。 だが、しか…

「美食学研究所」設立します

日本料理の料理人を目指す若者は減っているそうです。とある調理師専門学校では、日本料理コースとそれ以外(西洋料理、中華料理、製菓、カフェ、製パンetc)の生徒数が「1:9」で、さらに年々日本料理科の生徒の割合は減ってきている、ともいう話も聞きまし…