2017-01-01から1年間の記事一覧
どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。 今年の仕事も無事に終わりました。 11月、12月とあまりブログの更新出来ず、少し悔いが残りますが、年内最後の記事になります。 さて、2017年を振り返ってみると、大きな時代の転換期になったと思います。1月に…
前回の記事では相性の良い組み合わせについて考えてみました。 まだご覧になってなければ、そちらも合わせてご参照ください。 相性の悪い組み合わせは迷信? 相性の悪い食材の組み合わせを「食い合わせ」と呼んだりします。 昔から伝わってきたものが多く、…
素材の相性について 料理を作る上で、素材の相性というものがあります。 相性というのは色々な要素が重なり合って生まれてきます。 出会い(旬が同じ)、色合い、香りや味の相乗効果、臭みや油っこさを消したり、食感のバランスだったりします。 日本料理に…
温度と味 どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。「熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに。」 日本料理の仕事をしている人ならば誰でも聞いたことのある言葉だと思います。 当たり前すぎて深く考えたことも無い、という人も中…
甘味もひとつの「料理」であるという認識を コース料理の献立の締めくくりは甘いものが出されます。 今回は水物について考えていきたいと思います。「食後のデザート」という言葉もあります。デザートというのは単なるオマケとまでは言いませんが、それが「…
米の美味しさ 米は美味しい。 毎日食べても飽きないものは米ぐらいです。 美味しさの極致とは、米で無いかと思うぐらいです。 料理屋では、大体締めくくりは御飯物と決まっています。 献立によっては麺類になったり、雑炊になったりということもありますが、…
人間の味覚と「酢の物」 今回のテーマは「酢の物」です。 驚くことに、日本料理の献立の中で"味"が献立の名前になっているものは、この「酢の物」、つまり酸味だけです。人間の味覚は5つの味を感じると言われています。 つまり、「甘味」「辛味」「鹹味(か…
「焚き合わせ」について考える 「焚き合わせ」についてですが、「焚く・炊く」というのは日本料理の調理法の中でも一番難しいものであるというのは、以前に【調理の技法】の記事で書いた通りです。参考記事 単に「煮物・炊き物」という場合は、ご飯のおかず…
八寸とは 「八寸(はっすん)」とは少し聞きなれない言葉かもしれません。日本料理の献立の一つです。 元々は茶道の懐石において、一辺が8寸(約24センチ)の正方形の杉の盆に山の物と海の物を一種類ずつ盛り付けたものです。一汁三菜の一通りの料理を食べ終…
料理人と暴力 悲しい事実ですが、日本料理の一部の職場では日常的に大声で怒鳴ったり、殴ったりするような人がいます。 数年前にはとある東京の有名な料理店の主人が、従業員の見習いの人に暴行して睾丸を破裂させたという事件がヤフーのトップになったりし…
「厳しい」ということパワハラとは違います 料理の世界で働くことは「修行」などとも形容されます。特に和食の板前なんていうと、どうしても「厳しい」とか「辛い」というイメージがついて回ります。他のフレンチや中華の料理の仕事をしている人に話を聞いて…
「焼物」について考える 「焼く」ということについては、以前に【調理の技法】シリーズで書かせていただきました。 今回は献立の流れの中における「焼物」はどういうものなのか考察していきたいと思います。 「一汁三菜」という言葉を聞いたことがある人は多…
柔道と相撲 柔道と相撲はどちらも日本で生まれた伝統的な格闘技であり、スポーツです。しかし、現代社会では全く違う状況下に置かれています。柔道は世界でも人気のスポーツで、オリンピックの種目になっており、世界中で本気で金メダルを目指す人が沢山いま…
おかずと「料理」の違い 賄い(まかない)は調理に慣れるということを考えたとき、とても重要な仕事であると以前に書きました。 しかし、賄いはお金の取れる「料理」ではありません。 我々が目指すべき「料理」とは、季節感にこだわり、素材にこだわり、調理…
中国人観光客による京都のミシュラン三ツ星店の評価 日本に上陸したときは賛否の多かったミシュランガイドですが、今ではすっかり恒例行事として定着したように思います。 「京都・大阪 2018年版」も11月10日に発売され、注目している方もいるのではないでし…
お造りについての3回目の記事です。 1回目、2回目も合わせてご覧ください。 お造りと醤油 醤油は日本独特の調味料でありながら、日本料理に必要不可欠な調味料です。特にお造り・刺身はその最たるものでないでしょうか。 お造りという料理が発展・普及した理…
前回の記事ではお造りの、主に魚の扱い方について書きました。 今回は「あしらい」について書いていきたいと思います。 前回の記事をご覧になってない方は、そちらも合わせてご覧ください。 「あしらい」について あしらいとは あしらいとは、料理の盛り付け…
「お造り」について考える 献立の流れの中においての「お造り」について考えていきたいと思います。「造里(つくり)」と表記したり、「刺身(さしみ)」と呼んだりもします。参考記事:【料理の語源】「造り」と「刺身」の違い単に魚介類を切り身にしただけ…
「賄い(まかない)」とは 既にご存知の方も多いですが、賄い(まかない)とは、従業員のための食事のことです。昼夜の営業と片付けが終わって、夜の営業までの間の時間や、職場から帰る直前に食べることが多いです。 お店によって色々なルールがあると思い…
雑用仕事の大切さ どんな調理場でもそうだと思いますが、働いていると雑用仕事は本当に多いです。 特に就職して1年目2年目という人は、朝から夜まで雑用ばっかりで1日が終わるというような人もいるんでは無いでしょうか。 調理場の中を動き回って"追い回し"…
なんでお店が儲からないのかを僕が解決する作者: 堀江貴文出版社/メーカー: ぴあ発売日: 2016/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 飲食店の経営に関する本は山ほどあれど… 書店に行けば飲食店の経営に関する本は沢山あります。 だいた…
煮物椀について考える記事の4回目になります。 今回でお椀に関しては最終回です。 前回までの記事をご覧になってない方はそちらまどうぞ。 色々な種類の吸い地 お椀に使われる吸い地は「澄まし仕立て」が多いですが、それだけではありません。 色々な種類の…
煮物椀についての3回目です。 1回目2回目をまだの方はそちらからお願い致します。 吸い口について考える 「吸い口」とはお椀に入れる香りのもののことです。 木の芽や柚子、茗荷やすだち、生姜などが多く使われます。季節感。香り。味のバランスの調整。盛り…
椀種について考える 前回は吸い地についての記事を書いています。 まだご覧になってない方はそちらも合わせてお願いします。 今回は椀種について考えて行こうと思います。 「煮物椀とは具をメインにした吸い物」であるという風に思われている方もいるかもし…
「煮物椀」について考える 「煮物椀」についてです。 単に「お椀」と呼んだり、「椀物」「椀盛」と呼んだりもします。参考記事 煮物椀と造りを合わせて「椀刺し(わんさし)」と言って日本料理のメインとなる料理です。お店、料理人の包丁の技術が試されるの…
「煮物椀」と「吸い物」の違い 「煮物椀」と「吸い物」の違いです。 実際に日本料理の現場で仕事をしている人間の感覚でいえば、「煮物椀、椀物」と「吸い物、汁物」とは大きな違いがあるように思います。 調理場のエライ人の「なんやねん、このお椀。汁ちゃ…
もはや人間はコンピュータに勝てない 「ロボットに奪われる仕事」なんて事を言うと、抵抗がある人もいるかもしれません。 しかし、ロボットやAIの進化は、人間に勝つのは絶対不可能と言われていた囲碁や将棋では世界のトップに勝つようになりました。 また、…
「先付」についての考察の3回目です。 1回目、2回目を読まれてない方はそちらからお願いします。 「先付」でお客様の特徴を把握する 先付というのいうのは、お客様に取ってお店の第一印象であると述べました。 しかし、同時にお店にとってもお客様の第一印象…
前回の記事の続きです。 前回の記事をご覧になってない方はこちらから 続・先付の条件 さて、先付に必要な条件の続きです。 季節が感じられる 日本料理と言えば季節、季節、季節。 献立を考える立場の人は、毎日季節の事を考えている、季節を何よりも大事に…
最初の料理について考える 「先付」についてです。 お店によって「前菜」と呼んだり、「突き出し」と呼んだり、「向付」と呼んだり、また「先八寸」だったり、呼び方は色々ですが、それは一旦置いておきます。 コースの一番最初の料理について考えようと思い…