美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

日本料理

【プロが教えるレシピ!】超簡単!『昆布の佃煮』の作り方

どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。実山椒の取れる季節になりました。 この時期になれば、毎年自宅で昆布の佃煮を焚きます。 めっちゃ簡単に作れて美味しいです。 今回はレシピを紹介します!それでは、早速作っていきましょう。 超簡…

日本料理の「メインディッシュ」とは?

日本料理のメインディッシュとは? どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。西洋料理のコースには必ず「メインディッシュ」と言うものが存在します。 中華料理でもフルコースでは「主菜」と言うものがあります。日本料理のコース料理に「メインディッシ…

【京都・丸太町「木山」】シンプルかつストレートな料理

丸太町の料理屋「木山」に伺いました。 2017年春に新しくオープンしたお店です。 オープンして数ヶ月でミシュランの星を取った、最近話題のお店です。こちらのお店では、お店をオープンする工事のときに井戸水が湧いたようで、料理はこちらの井戸水を使用さ…

食べ合わせの良い素材・悪い素材 その1【相性の良い食材の組み合わせ編】

素材の相性について 料理を作る上で、素材の相性というものがあります。 相性というのは色々な要素が重なり合って生まれてきます。 出会い(旬が同じ)、色合い、香りや味の相乗効果、臭みや油っこさを消したり、食感のバランスだったりします。 日本料理に…

【料理の科学】温度と味の変化

温度と味 どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。「熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに。」 日本料理の仕事をしている人ならば誰でも聞いたことのある言葉だと思います。 当たり前すぎて深く考えたことも無い、という人も中…

【献立について考える】「御飯」

米の美味しさ 米は美味しい。 毎日食べても飽きないものは米ぐらいです。 美味しさの極致とは、米で無いかと思うぐらいです。 料理屋では、大体締めくくりは御飯物と決まっています。 献立によっては麺類になったり、雑炊になったりということもありますが、…

【献立について考える】「八寸」(八寸とは何か)

八寸とは 「八寸(はっすん)」とは少し聞きなれない言葉かもしれません。日本料理の献立の一つです。 元々は茶道の懐石において、一辺が8寸(約24センチ)の正方形の杉の盆に山の物と海の物を一種類ずつ盛り付けたものです。一汁三菜の一通りの料理を食べ終…

【献立について考える】「焼物」

「焼物」について考える 「焼く」ということについては、以前に【調理の技法】シリーズで書かせていただきました。 今回は献立の流れの中における「焼物」はどういうものなのか考察していきたいと思います。 「一汁三菜」という言葉を聞いたことがある人は多…

お金を取れる「料理」とは

おかずと「料理」の違い 賄い(まかない)は調理に慣れるということを考えたとき、とても重要な仕事であると以前に書きました。 しかし、賄いはお金の取れる「料理」ではありません。 我々が目指すべき「料理」とは、季節感にこだわり、素材にこだわり、調理…

「お造り」について考える その2【あしらい篇(「けん」と「つま」の違いなど)】

前回の記事ではお造りの、主に魚の扱い方について書きました。 今回は「あしらい」について書いていきたいと思います。 前回の記事をご覧になってない方は、そちらも合わせてご覧ください。 「あしらい」について あしらいとは あしらいとは、料理の盛り付け…

「お造り」について考える その1【プロの魚の扱い方編】

「お造り」について考える 献立の流れの中においての「お造り」について考えていきたいと思います。「造里(つくり)」と表記したり、「刺身(さしみ)」と呼んだりもします。参考記事:【料理の語源】「造り」と「刺身」の違い単に魚介類を切り身にしただけ…

「煮物椀」について その4【様々な種類の吸い地と煮物椀のポイント】

煮物椀について考える記事の4回目になります。 今回でお椀に関しては最終回です。 前回までの記事をご覧になってない方はそちらまどうぞ。 色々な種類の吸い地 お椀に使われる吸い地は「澄まし仕立て」が多いですが、それだけではありません。 色々な種類の…

「煮物椀」について その3【吸い口・あしらい編】

煮物椀についての3回目です。 1回目2回目をまだの方はそちらからお願い致します。 吸い口について考える 「吸い口」とはお椀に入れる香りのもののことです。 木の芽や柚子、茗荷やすだち、生姜などが多く使われます。季節感。香り。味のバランスの調整。盛り…

「煮物椀」について その2【椀種についての考察】

椀種について考える 前回は吸い地についての記事を書いています。 まだご覧になってない方はそちらも合わせてお願いします。 今回は椀種について考えて行こうと思います。 「煮物椀とは具をメインにした吸い物」であるという風に思われている方もいるかもし…

「煮物椀」について その1【吸い地の味付け】

「煮物椀」について考える 「煮物椀」についてです。 単に「お椀」と呼んだり、「椀物」「椀盛」と呼んだりもします。参考記事 煮物椀と造りを合わせて「椀刺し(わんさし)」と言って日本料理のメインとなる料理です。お店、料理人の包丁の技術が試されるの…

【料理の語源】「煮物椀」と「吸い物」「汁物」

「煮物椀」と「吸い物」の違い 「煮物椀」と「吸い物」の違いです。 実際に日本料理の現場で仕事をしている人間の感覚でいえば、「煮物椀、椀物」と「吸い物、汁物」とは大きな違いがあるように思います。 調理場のエライ人の「なんやねん、このお椀。汁ちゃ…

「先付」について その3【オススメの料理の本など】

「先付」についての考察の3回目です。 1回目、2回目を読まれてない方はそちらからお願いします。 「先付」でお客様の特徴を把握する 先付というのいうのは、お客様に取ってお店の第一印象であると述べました。 しかし、同時にお店にとってもお客様の第一印象…

「先付」について その2【続・先付の条件】

前回の記事の続きです。 前回の記事をご覧になってない方はこちらから 続・先付の条件 さて、先付に必要な条件の続きです。 季節が感じられる 日本料理と言えば季節、季節、季節。 献立を考える立場の人は、毎日季節の事を考えている、季節を何よりも大事に…

「先付」について その1【先付の条件】

最初の料理について考える 「先付」についてです。 お店によって「前菜」と呼んだり、「突き出し」と呼んだり、「向付」と呼んだり、また「先八寸」だったり、呼び方は色々ですが、それは一旦置いておきます。 コースの一番最初の料理について考えようと思い…

「未在」に行ったときの話

「ミシュランガイド京都・大阪」の三ツ星常連の未在(みざい)に行ったときの話。 この店を評して、主人の石原氏の名前から「石原劇場」という方がいる。しかし、私はそれは違うと思う。ここには思わずドキッとするような名台詞も、派手なアクションも無い。…

「地図」を見るのはやめて「コンパス」を持とう

ネガテイブなイメージの料理の世界 日本料理の板前の世界というと、どんなイメージを抱かれるでしょうか? 「厳しい」「しんどい」「辛い」「修行」 こんな言葉が並ぶ方も多いのでは無いかと思います。最初は雑用&洗い物ばっかり、すぐに怒鳴られるし、殴ら…

【調理の技法 第3回】 「揚げる」その3

「揚げる」の3回目です。 素材の下処理について それぞれの食材によって方法が違うので、一概にいうことは出来ませんが、基本は「切れ目を入れて油の通りを良くする」「水分をある程度切っておく」「空気の抜け穴を開ける」などでしょうか。 私の友人で以前…

【調理の技法 第3回】「揚げる」 その1

蒸すことと揚げることは似ている 揚げることは蒸すことに似てるのではないかと思っています。蒸す場合は蒸気、揚げる場合は油という違いはありますが、均一の温度の熱エネルギーで素材を加熱するという点では同じだからです。参考記事 蒸すことと揚げること…

【「だし」について】 基本編 その4

「出汁」についての話です。 前回までの記事は下記の通りです。 出汁について、一つ重要なポイントは同じ味の出汁は二度と引けないということです。 不思議なもので、全く同じ量の水と昆布と鰹節の量で出汁を引いたとしても、毎日味が変わります。昨日と今日…

【調理の技法 第2回】 「蒸す」 その2

前回の記事の続きです。 前回も少し触れましたが、蒸すことによって味は入りません。つまり、味付けと加熱を別々に考える必要があります。蒸す前や蒸した後に塩を振ったり、味付けした出汁に浸しながら蒸したり、蒸し上がった後に「あんかけ」にしたり、別添…

【調理の技法 第2回】 「蒸す」その1

私の知る範囲だけの話かもしれませんが、献立の中に「蒸し物」を常に入れているという店は少ないように思います。献立を立ててみて、何か少し物足りないと感じたら「蒸し物」を一品入れてみたり、秋口の松茸の季節になると椀物の代わりに土瓶蒸しを入れてみ…

【「だし」について】 基本編 その3

出汁についての3回目の記事です。 前回までは下記の通りです。 出汁についての考察をさらに進めていきたいと思います。前回の記事で二番出汁の役割は旨味であるということを書きました。一番出汁はそれ自体がメインとなるものでしたが、二番出汁は料理をバッ…

【「だし」について】 基本編 その2

前回に続き、出汁について考察します。前回の記事はこちらから。 日本料理で使う出汁(だし)には大きく分けて二種類あります。いわゆる「一番出汁」と「二番出汁」です。 一番出汁は主に「椀物」の吸い地に使います。「二番出汁」は主に色々なものを炊くと…

【「だし」について】 基本編 その1

「出汁(だし)」は日本料理の命と言われます。書店に行って、初級者向けの日本料理の本を読んでみれば、必ず最初の方で「出汁の取り方」が書かれていると思います。では、その出汁とは何なのか、突き詰めて考察していきたいと思います。出汁は様々な料理に…

【調理の技法 第1回】「切る」 その2

今回は切るということが最も重要な要素になる「お造り・刺身」を「切る」ということについて書いています。 前回の記事をお読みでない方は、まずはそちらからご覧ください。 その前に、「造り」と「刺身」の違いについては別記事で書きましたので、そちらを…