美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

2017年を振り返って

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どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
今年の仕事も無事に終わりました。
11月、12月とあまりブログの更新出来ず、少し悔いが残りますが、年内最後の記事になります。


さて、2017年を振り返ってみると、大きな時代の転換期になったと思います。

1月にはトランプ大統領就任。
冷戦以降、アメリカは世界の警察的なポジションでしたが、徐々に余裕が無くなっていき、トランプが「アメリカファースト!!」と言い出し、要はウチは世界の警察辞めるから皆んな勝手にやってちょうだい!っていう宣言をしました。
冷戦以降、東西の壁は無くなって、EUを始め世界が一つになろうとしていく流れでしたが、またゼロに戻っていくことになりました。
昨年でしたが、イギリスはEUの脱退を決定。ややマイナーなニュースですが、スペインのカタルーニャ州では独立の是非を問う住民投票で大多数の賛成を得て、「カタルーニャ共和国」の独立宣言が出されますが、住民投票自体が違憲であるとして、州首相が国家反逆罪で起訴されベルギーに亡命するという事件も起こっています。
日本では数年前から「日本ってこんなに凄いよ」系のテレビ番組や書籍が多くの人に支持されるようになり、世界各地で民族のアイデンティティを声高に叫ぶ人が増えています。いわば、「文化のローカル化」の流れが加速しています。

仮想通貨の登場も大きな転換期の象徴でないでしょうか。
仮想通貨に関しては、ビットコインなどの個々の通貨の動向はどうなるかわかりませんが、「ブロックチェーン」という技術自体は否定出来ないようになっています。今は投資や投機の対象でしかありませんが、将来的には中央銀行の発行する通貨と同じように、仮想通貨で買い物が出来るのが当たり前になるでしょう。仮想通貨なら為替レートの影響も受けないので、世界展開する企業なら、各国の通貨を両替しながら持つより圧倒的にコストがかからない。ビットコインの乱高下が毎日のように報道されていますが、いずれは落ち着いた普通に買い物で使える仮想通貨が出てきて、「経済のグローバル化」が進むでしょう。


さらに、実は私は将棋が趣味なんですが、佐藤天彦名人がコンピュータソフトのponanza(ポナンザ)に負けるというのが個人的に大きなニュースだったかなと思います。人工知能とディープラーニングは、農耕革命よりも、産業革命よりも人類史に残る革命を将来的に起こしてくれるでしょう。

今では誰も覚えていないプレミアムフライデーも今年でした。プレミアムフライデーは大した成果はありませんでしたが、働き方改革やブラック企業は大きな社会問題になっています。落合陽一氏は著書の「超AI時代の成長戦略」に「ワークアズライフ」「働き方改革は労働時間のコントロールでなく、ストレスのコントロール(要約)」と書かれています。

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

個人的には、落合氏のこの本は大きなヒントになるのではないかと思っています。
我々のような飲食業界の人間は長時間、かつストレスフルでパワハラなんか無い所のほうが少ないというような労働が慣習になっていますが、間も無くそのような環境は通用しなくなるでしょう。

2017年は大きく時代が動いた年だったと思います。激動の時代なんて言われておりますが、時代の動きの流れはだいたい決まって来たのかなっという年でした。今まで通りの考え方では取り残され、自分より若い人たちにどんどん抜かされていくでしょう。

文化のローカル化が進めば「日本的なもの」、もっと言えば「日本料理」に関しての注目は益々アップしていくことかと思います。
これからの時代は「仮想通貨で人工知能が考えた日本料理を食べる」のがイケてる時代になるのではないでしょうか。

そういう時代に料理人に求められる能力は「料理を作ること」だけではありません。具体的には、お店とお客様を繋ぎ、バラエティ番組の司会者みたいな食事の場を面白くしていくような能力が必要になってくるのではと思います。