美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

食べ合わせの良い素材・悪い素材 その1【相性の悪い食材の組み合わせ編】

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前回の記事では相性の良い組み合わせについて考えてみました。
まだご覧になってなければ、そちらも合わせてご参照ください。

相性の悪い組み合わせは迷信?

相性の悪い食材の組み合わせを「食い合わせ」と呼んだりします。
昔から伝わってきたものが多く、現代の目線で見れば特に根拠があるわけでなく、迷信の一種と言ってしまってもいいかもしれません。
しかし、中には消化の悪いもの同士と言ったものもあり、体調によっては気を付けたほうがいいものもあります。
具体的に解説してみます。

ウナギと梅干し

これは昔から言われてきた食い合わせの代表みたいなものですが、ハッキリ言ってなんの根拠も無い迷信です。

ウナギは脂肪が多くて、消化しにくい。
一方、梅干しは酸を多く含んでいるため、消化助けたり、食欲の増進する効果があります。
現代では、むしろ相性が良いのではないかとも言われています。

「ウナギの脂肪と梅干しのような強烈な酸は消化不良を起こす」とか「梅干しで食欲が増進されて、ウナギを食べ過ぎないように。贅沢を戒めるため」にこの様に言われ始めたのでは無いかという説があります。

タコとワラビ

タコは筋肉質で固くて、消化もあまり良く無い。
ワラビも繊維が固くて消化が良く無い。
消化が良く無いもの同士の組み合わせですが、一緒に食べたらダメというほどでもないのではと思いますね。

アサリと松茸

アサリの旬は春と秋の2回あります。
貝類全般に言えることですが、扱い方によっては食中毒の危険性があります。
また、キノコ類は食物繊維が豊富で消化はあまりよくありません。松茸はキノコ類の中でも一番繊維が多くて、食べ過ぎれば消化不良を起こしやすいです。
一緒に食べたら特に有害性があるということはありませんが、注意を喚起するという意味で言われ始めたのではないかと思います。

タニシと蕎麦

タニシは固くて良く噛まないと消化不良を起こします。
一方の蕎麦はほとんど噛まずに食べられるため、一緒に食べたら良くないと言われています。

油揚げと胡瓜

油揚げは脂肪が多く、胡瓜は水分が多いです。
特に有害性があるわけでは無いですが、脂と水で胃酸が薄まり、体に負担が掛かるという意味だと言われています。

スイカとビール

スイカもビールも、ほとんどが水分で、尚且つ利尿作用があります。水分の摂り過ぎてお腹を壊さない様に注意ということでしょう。

まとめ

この「食い合わせ」の組み合わせは、元々中国から伝承されたものであったり、日本で生まれたものであったり、色々とありますが、平安時代にはかなりの数の組み合わせが伝わっていたそうです。
現代では科学的な根拠の無いものも多いですが、悪いと言われている組み合わせを、わざわざ試すことも無いと思います。

相性の良い組み合わせに関しては別記事でまとめていますので、よろしければそちらも合わせてご覧ください。