美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

【献立について考える】「御飯」

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米の美味しさ

米は美味しい。
毎日食べても飽きないものは米ぐらいです。
美味しさの極致とは、米で無いかと思うぐらいです。
料理屋では、大体締めくくりは御飯物と決まっています。
献立によっては麺類になったり、雑炊になったりということもありますが、基本は炊いた御飯と漬物といったようになります。

ご飯は季節の食材の炊き込み御飯にする場合と白御飯の場合と様々ですが、土鍋で炊きたての御飯の美味しさというのは感動的なものがあります。

美味しい米の種類といえば、ひと昔前は新潟県の魚沼産コシヒカリというのが定番でしたが、今では様々な品種の米が使われるようになっています。

食べる側にしてみれば、非常に楽しい時代であると言えるでしょう。

白米を侮ってはいけない

御飯というのはコースの最後のトドメを刺すものであり、とくに酒の飲めない人にとっては大事な料理の一つです。

最近はそうでも無いですが、昔の料理屋というのは、この締めくくりの御飯をあまり重要視していなかったようです。

年配の料理人の人の中には、飯炊きなんて立場が下の人間がやるような雑用の一種であると考えている人もいて、「米を炊いてくれ」と頼むと、自分の沽券に関わるような気になって怒るような人がいます。はっきり言って、そういう人は論外です。

料理屋の料理というのは酒を飲むための料理であり、炊いた白米というのは無意識のうちに料理では無いと思っているようです。

ところが、白米というのは料理の中で最も大事なものであり、美味しい料理が作れるかどうかは、美味しい米が炊けるかどうかに掛かっていると言っても過言ではないでしょう。

西洋料理でパンの焼き方や出来栄えの良否を気にすることと全く同じことです。

炊きたての御飯に勝る美味しいものはちょっと他に考えられません。一度、ご家庭でも土鍋で御飯を炊いてみて貰えればわかると思います。