美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】

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どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。

料理人の皆様の中には、独立を志している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれませんね。

事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。

今回から何回かに分けて、お金について書いていきたいと思います。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」
今回は本題に入る前のプロローグになります。
どうぞよろしくお願いします。

私の経験を少しお話しします。

私は“元”料理屋の二代目です。
実際に料理屋の主人になったわけじゃないので
“二代目未遂”と言ってもいいかもしれません。

意味深な表現になりましたが、別に難しいことじゃありません。
僕が事業を承継するのを断念したからです。

最大の理由は事業の資金繰りが回らなくなってきたからです。
結果的に父の代で廃業することになりました。

会社の経営が苦しくなってからは、父とは言い争うことが多くなり、「あそこの店は親子の確執が原因で潰れた」とか「息子が(つまり、僕が)アホやから」とか言う人も中にはいました。
それも一部分は正解なんですが、確執の根本の原因は「儲かってないから」っていうところに集約されます。

父とは廃業の直前まで喧嘩ばかりしていましたが、「10年以内の廃業率が90%」という業界で30年以上も店舗を存続させた父は立派だと思いますし、今でも尊敬しています。

廃業の数年前のことです。
父が病気を患い療養することが多くなり、お店の運営の舵取りを、僕が事実上しなければならないことになりました。

お店は前述の通り、あんまり儲かってない状態です。
偉そうに書いてますが、要は父の広げた風呂敷を畳む係。単なる敗戦処理投手です。

数年は頑張ってみたものの、結果的に事業は廃業。
我が家には数億円の負債が残りました。

20代の後半から30代の序盤のことです。

色々とありました。
円形脱毛症にもなりました。

(昔撮った画像です。現在は完治しています。)

某料亭での修行時代、早朝6時30分始業深夜の2時とか3時に終業という殺人的スケジュールで働いていたときも
円形脱毛なんかならなかったのに!!

失敗に学ぶ

儲かってる会社の経営者のキラキラした成功体験は世の中に溢れています。
本屋に行けば、数百円の文庫や新書の中から沢山探すことが出来るでしょう。
インターネットを検索すれば無料で読めるものも多いかと思います。

しかし、儲かってない経営者の体験というのは世の中に出回ることは、成功者の体験に比べて圧倒的に少ないです。

身内の恥を晒すことになり、これを公開するのは躊躇いました。
しかし、若いうちに結構キツイ経験をした私だからこそ書けることもあるのではと思い筆を取ることにしました。

料理店・飲食業界の人だけでなく、全ての人に通用する内容になる部分を抽出して書いていけたらと思います。
なぜなら、法は全ての人に平等だからです。
僕の身に起こったことは、きっと誰かの役に立つことと信じています。


我が家に届いた催告書の一部分。少し見にくいですが、興味がある方は拡大して見てくだされ。
1通目から金額が約2億円。

うーん。

ふざけんなよ!!

「誰が払うか!!そんな金!!」

次回に続く。

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西原理恵子さんの「できるかなV3」の中に収録されている「脱税できるかな」は非常に示唆に富んだ怪作です。

できるかなV3 (角川文庫)

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