美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

世界の名物 日本料理

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日本料理を代表する店のひとつである吉兆の創業者の湯木貞一が「世界之名物 日本料理」という言葉を残しています。その言葉から数十年、疑うことなく、日本料理は世界に誇れる文化だと思います。それを絶やさないようにするのが我々の役目です。
 
だが、しかし、日本料理文化は日本料理そのものに存在するのではなく、我々料理人にあります。我々料理人の存在そのものが文化です。伝統的なものを継承することも良い。未踏の美味を追求するのもいいでしょう。しかし、最も大事なのは人間的に尊敬されることでは無いでしょうか。
 
料理を学べば手先が器用になる。集中力や体力が身につく。時間の使い方、段取りが上手くなる。教養が身につく。美的感覚が磨かれる。礼儀作法や精神力の鍛錬になる。相手を思い遣る心も身につく。
 
日本料理の仕事は厳しくて大変で奥深いです。同じように、自分以外の他のみんなの人生も厳しくて大変で奥深いということが、なんとなくわかるようになります。日本料理のプロはあんなに素晴らしくて立派な人だ、だから私も学校で、家庭で日本料理を学ぼう、日本料理を作ろうと思ってもらうことが本当の我々の一番大事な仕事であり、日本料理に対する恩返しです。そう思って頑張っていきたい。
 
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鱧と松茸の煮物椀@京都吉兆 嵐山本店