美食学研究報告

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

料理に欠かせない「水」の話

スポンサーリンク

どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
2018年の最初は料理の全ての基本である「水」について書いてみたいと思います。

和食の味は水に掛かっている!

日本料理は水の味

日本料理の味は「水」に掛かっていると言っても過言ではないでしょう。
自然に恵まれ、農耕にも適した土地であった日本では鮮度の良い素材が手に入りやすく、また調理に適した軟水にも恵まれています。
茹でたり、煮炊きしたり、蒸したり、どれも水が欠かせない調理方法です。水が素材の味を引き出すと言ってもいいでしょう。
さらに、豆腐のように水が主体の素材もあります。豆腐を食べれば、その土地の水の味がわかると言われています。
和食の基本とも言える出汁の成分の99%以上は水です。

西洋料理、中華料理は油の味

ヨーロッパは歴史的に見ると常に食糧難でした。
普通の一般家庭では新鮮な食材を調達することはほとんど不可能でした。
臭いの強い肉類を調達するために、スパイスやバターやクリームといった脂肪分を多く使ったソースを使わないと食べることが困難だったのではないかと言われています。
今でも、フランス料理では、素材の味よりもソースの味のほうにポイントが置かれています。

中華料理でも油が多用されます。
国のほとんどが大陸であり、肉類や乾物が料理の素材として使われてきました。油で風味を足すという手法の料理が発達したと言われています。
また、ヨーロッパも中国も炭酸カルシウムの多く含まれた硬水が主流です。
硬水は調理には不向きで、西洋料理や中華料理の煮炊きものではスープストックを用いることが多く水をストレートではあまり使いません。

硬水と軟水

料理に使う硬水と軟水に関しては辻調のサイトの解説が非常にわかりやすいです。

http://www.tsujicho.com/oishii/recipe/pain/viva/water2.html

友人でヨーロッパの日本料理店で働いている人がいるのですが、硬水で昆布と鰹節を煮出しても、出汁がほとんど取れないと言っていました。彼の店では軟水のミネラルウォーターを買って出汁を取っているそうです。