事業に関わる「お金」のリアル【第3話】「融資は投資」
どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。
料理人の皆様の中には、独立を目指している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれません。
事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。
お金についてのブログ連載の記事になります。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」
今回は第3話です。
前回まではこちらになります。
事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
事業に関わる「お金」のリアル【第1話】「金融リテラシーを身に付けろ!」
事業に関わる「お金」のリアル【第2話】「平時の兵法 有事の兵法」
それでは、今日もよろしくお願いします。
融資を受けたときのリスクについて考える
自己資金が潤沢にあるという人を除いて、自分でお店をオープンしようと思ったら場合、開店資金は借りる事が多いでしょう。
つまり融資を受けることになります。
前回で述べた通り、この連載は有事の際の兵法です。
意気揚々と高い志を持って、融資を受けて開業したにもかかわらず、経営は有事に陥ってしまった場合のリスクについて考えていきましょう。
融資は投資である
そもそも投資とは?
そもそも「投資」とはなんでしょうか?
自分の資金を投入して、上手に運用して利益を得る行為。
一方で、いわゆる「逆ザヤ」、「元本割れ」を起こして損するリスクもある。
図らずも、利益を上げることが出来ず、「投資の失敗」である。
投資には失敗の可能性があり、その責任は当事者にある。
これは全世界共通の「常識」と言ってもいいでしょう。
事業主が銀行に融資の依頼をすると、「審査」され、融資が実行されるかどうか決まります。
金融機関は「この事業主に融資をすれば、数年後には元本に金利を上乗せして返ってくる!」と審査の結果、判断したから融資を実行されるのです。
投資の責任の所在
しばらくして、事業主が金融機関の「思惑」に応えられないようになり、貸付金を回収できなかった場合、その「責任」の所在は誰にあるでしょうか?
そまそも金融機関が「利子を取る目的で資金を融資」をするというのは、彼らにとって「商売」です。
事業主が「金を返せなくなった」という状態は彼らが投資先を見誤ったというだけのこと。
メーカーが新商品開発したけど売れなかった、というのと全く同じです。
こう考えると「融資」は「商売」における「投資」であり、事業主の返済が実行されなくなった場合の責任は明らかに貸し手側に存在します。
ですが・・・。
様々な事情で債務者(お金の借り手)が返済不能状態になると、債務者側に「債務不履行責任」が残ることになります。
これっておかしくない???
個人なら自己破産、事業主なら破産、廃業、民事再生法、会社更生法etcを実行するときに必要な費用負担は借り手側が工面しなければならないことになっています。
費用の負担っていうのは、つまり「責任」の事ですよね?
これっておかしくない???
法的には明らかに貸し手側(金融機関)の責任になるのですが、自己破産や会社更生法・民事再生法等の法的整理を実行するときの費用は借り手側(事業主)がそれを負担することになっています。
投資の失敗責任は自己責任です。融資の回収が出来なかった失敗責任は貸し手側(金融機関)にあります。
しかし、法的整理はその失敗責任は借り手側に押し付ける。
これっておかしくない??
おそらく金融機関の過去の偉い人たちが献金や接待等を頑張った結果、この様な状態になっているのでしょうが、それは一旦置いておきます。
破産や法的整理にお金を使う前に・・・
日本国民の中で、破産や法的整理などしなければいけない人間など一人もいません。
法的整理は借金に困った人を救済する為のものではなく、食えない弁護士を食わせる為の制度に過ぎません。
そんなところに回す費用があるなら、
従業員や取引先、自分の家族にお金を使いましょう。
次回へ続く
紀州のドンファンは現代の諸葛孔明だ!
「紀州のドンファンの元嫁が京都にいるらしい。何か情報知りませんか?」
報道関係の仕事をしている友人からのLINE。
何のこっちゃと思っていたら、世の中は紀州のドンファンの話題で盛り上がってるらしい。
著作もベストセラーランキング1位である。
紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)
- 作者: 野崎幸助
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/12/21
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大金持ちのジジイがマネーパワーで女とヤるだけの話かと思っていたら、なかなか面白い本だった。
徒手空拳で終戦直後の復興期から高度経済成長、バブル期を駆け抜け大成功を収めた一人の漢の一代記でありビジネス書であった。
コンドームの実演販売のくだりとか、金融業を成功させたノウハウとか、面白いの一言。
死してなお、周囲巻き込み熱狂させている。
まるで『三国志』の五丈原の諸葛孔明のようじゃないか。
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蜀軍の総大将・諸葛孔明。
魏軍の総大将・司馬仲達。
両軍は互いに十数万の軍を率いて、五丈原に陣を敷いた。
どちらも当代随一の天才同士の戦い。
全く隙の無い陣形。
先に動いた方が負けという膠着状態。
蜀軍の諸葛亮は魏軍に対して、あらゆる挑発を仕掛けるが、相手の司馬懿は我慢強さで言えば天下一。絶対に動かない。
膠着状態のまま対峙すること百余日。
事態は急変した。
諸葛亮の病死である。蜀軍は撤退した。
魏軍は撤退した蜀軍を追撃しようとしたが、蜀軍は反撃の形勢を示し、司馬懿は慌てて軍を退いた。
後に司馬懿は人伝にこのことを聞き、「私は生者を相手にする事は得意だが、死者を相手にするのは不得手だ」と答えたという。
司馬懿は撤退後の諸葛亮の陣営を視察し、「天下の奇才」という感想を漏らした。
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死せる孔明、生ける仲達を走らす。
紀州のドンファンよ、安らかに。
事業に関わる「お金」のリアル【第2話】「平時の兵法 有事の兵法」
どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。
料理人の皆様の中には、独立を志している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれませんね。
事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。
お金についてのブログ連載の記事になります。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」
今回は第2話です。
前回まではこちらになります。
事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
事業に関わる「お金」のリアル【第1話】「金融リテラシーを身に付けろ!」
それでは、今日もよろしくお願いします。
全ての事業家は儲けるために事業を行う
基本的なことですが、一つ確認しておきましょう。
事業家に限らず、勤め人でもそうですが、
みんな仕事をするときは「儲けよう!」という欲に基づき仕事をしています。
口に出すか出さないか、
お金以上のミッションやビジョンが有るのか無いのか(?)
また子育てや親の介護のために収入を減らす選択をするというケース、
それぞれの立場で違いはありますが、わざわざ「積極的に損してやるぜ!」と思って仕事をする人はいませんよね?
みんな少なからず「儲けよう!」と思って仕事をするわけです。
で、その「儲ける」ためには何をすれば良いでしょうか?
「儲ける」というのは、個人で言えば「資産を形成すること」と言い換えれます。
橘玲先生の著作に、資産形成の方法について非常にわかりやすく説明されている箇所があるので引用します。
「だれでも億万長者になれる魔法の法則」
資産形成というのは、①収入、②支出、③資産の運用利回り、のたった3つの変数によって決まる関数ですから、いかなる天才といえども、これ以外の処方箋を提示することはできないのです。
ようするに、
資産形成=(収入−支出)+(資産×運用利回り)
というわけです。小学生にだってわかりそうな、超カンタンな方程式(足し算と引き算と掛け算!)です。
しかし考えてみればこれは驚くことで、人類が貨幣を発明して以来、人々を虜にしてきた「お金持ちになりたい」という夢が、このたった一行の方程式で表されてしまうのです。
しかも、これ以外にお金持ちになる方法は世の中に存在しません。
事業で言えば、収入というのは「売上」です。
支出というのは「経費」です。
売上と経費の差が「儲け」です。
(運用に関しては、まず資産(つまり最初の儲け)が必要なので、この連載では一旦横に置いておきます)
つまり「儲けよう!」と思ったときに出来る事は、
①売上を伸ばす
a.客数を増やす
b.客単価を上げる
②経費を減らす
c.商品の原価を抑える
d.販管費を抑える
大きく言えば、①と②の2つ。
細かく言えば、a.b.c.dの4つしかありません。
資本主義社会で一般的な民間企業で「仕事をする」という行動は、このa.b.c.dの4つの行動を模索することと同義です。
当たり前の事ですが、前提条件として確認のために書かせていただきました。
平時と有事
前回の記事の終わりに、次回は「平時と有事」について書くと予告しました。
前置きが少し長くなりましたが、本題になります。
「平時」と「有事」の言葉の定義
ざっくりと言葉の定義をしておきます。
・会社経営において、「平時」というのは「資金繰りが上手くいっていて、利害関係者の全員がハッピーな状態」のことを指します。
・「有事」というのはそれ以外の状態。
「資金繰りが止まった状態」というのが、いわゆる「倒産」という状態になります。
が、自分の役員報酬を減らしたり、お客様へ提供するサービスの質を下げたり、取引先に買掛金の支払いを待ってもらったり、従業員のボーナスカットだったり、銀行への毎月の返済額を減らしてもらったり、(これを「リスケジュール」、略して「リスケ」と言います。)
「何とかしてギリギリ延命しているような状態」
「利害関係者の誰かが我慢している状態」
を会社経営における「有事」であると定義します。
「平時」の話はしません
この連載では、「平時」におけるお金の話はしません。
基本に忠実に「仕事」をするだけです。
つまり、前述の①売上を上げる(a.客数を増やす b.客単価を上げる)と②経費を減らす(c.商品の原価を抑える d.販管費を抑える)
これを自分の才覚、スキル、時間、努力、勇気、経験etc...を使って実行するだけです。
具体的な方法は、業種や個々の会社の事情によっても変化するでしょうし、そもそも「確実に儲かる方法」なんてものは誰もわからないのですから。
「有事」の際の「お金」のリアル
この連載で取り上げるのは「有事」の際の「お金」のリアルです。
「平時」と「有事」では、全く戦略の方針を変えなければなりません。
「どうやったら客数が増えるかな?」とか「イケてる新商品の開発」とかを知恵を絞って考えることは、「平時」ならばとても重要なことですが、「有事」の際には下策です。
前回の記事の最後に、「治世の能臣」は「乱世の凡人」であるケースが多いと書きました。
平時と有事では、根本的な戦略がまったく違います。
ギアを上手く切り替えれずに、有事に陥っても平時の戦略で走り続けると大事故になります。
「有事」の際の最適解
会社の経営において、「平時」の際の最適解というのは誰にもわかりません。
運や偶然という自分でコントロール出来ない領域に左右される部分も多いでしょう。
しかし「有事」の際の最適解というのは存在します。
「有事」の際に真っ先に考えること。
それは「金融機関への返済をストップさせること」です。
「自己破産」とか「民事再生法」とか、そういう言葉を聞いたことのある人も多いでしょう。
そんなことをする必要は全くありません。
破産したり、民事再生法の手続きをするには金が掛かります。
金が無いから「有事」なのに、そんなことに金を使ってどうするん?
あんなものは食えない弁護士を食べさせる為の制度です。
難しい試験を合格した人に対して、国が用意した一種のボーナスなんです。
そんな罠に嵌る必要はありません。
さっさと返済をストップさせましょう。
前回の繰り返しになりますが、借入金の返済というのは、事業を運営する上で全く何も生み出さない支出になります。
事業を行う上で、
従業員がいないと仕事になりませんよね?
取引先がいないと仕事になりませんよね?
顧客がいないと仕事になりませんよね?
彼らに回すお金を削って返済に回すなんて言語道断です!!
まずは一番必要の無い支出である金融機関の返済を削るところから考えるべきです。
よく聞く例えですが、穴の空いたバケツに水をいくら入れても、事態は改善しません。
きっと、あなたはこう思うでしょう?
「え?そんなこと出来るの?」
次回へ続く
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天国に至る道は、地獄に至る道を熟知することである。
ニコロ・マキャヴェリ
事業に関わる「お金」のリアル【第1話】「金融リテラシーを身に付けろ!」
どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。
料理人の皆様の中には、独立を志している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれませんね。
事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。
お金についてのブログ連載になります。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」
第1話です。
前回まではこちらになります。
事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
それでは、どうぞよろしくお願いします。
金融クイズ
突然ですがクイズです。
問題
銀行から元本2億円、年利2%で期間10年の契約で事業資金を借入します。
月々の支払いはいくらになるでしょうか?
「知恵」とは「知識」と「戦略」
事業を行う上で大切なことは、数字に強くなることです。
現代的に格好をつけて言えば、金融リテラシーを身につけることです。
勝利に必要なのは「努力」や「友情」でなく、己の「知恵」と「勇気」です。
「知恵」とは何か。
「知識」と「戦略」です。
事業家を志すのなら、これらを持つことです。
金融リテラシーの低い人
昔、働いていた店の料理長は「みんなが頑張ってるお店は流行るんだ!」と、暇があるとよく若い子に偉そうに演説しておりましたし、料理長自身もそれを本気で信じているようでした。
ハッキリ言って金融リテラシーのカケラも無い人でしたよ。
「みんなが頑張ってるお店は流行るんだ!」を僕が翻訳すると、「固定給の若手の子に残業代を払わずに長時間労働させれば儲かる」です。
これが真実です。
ちなみに、こういう事を口に出したり、態度に出すと上司から蛇蝎の如く、メチャメチャ嫌われます。
職場での平穏は無くなりますので気をつけましょう。
あなたは「金利」の計算できますか?
すいません。話が少しズレてしまいました。
クイズに戻ります。
最近、少し衝撃を受けたんですが、金利の計算が出来ない人って結構いるみたいですね。
voicyというラジオアプリの再生数ランキング1位を常に争う人気パーソナリティのサウザーさん(@Fist_of_Phoenix )が、過去にそんな内容の放送をされていました。
(『サウザーラジオ 〜青雲の誓い〜』
めっちゃ面白いので、事業家を志す人は、アプリをダウンロードして1話から聞いて欲しい!)
実は、この連載を書こうと思ったのもサウザーラジオの影響もかなりあります。
特に衝撃的だったのは番外編のこちらの放送。
この放送の根幹である、借金の元本、金利、返済の仕組みなどは、ゲスト出演されているアナキン氏のブログが非常に解りやすいです。
今は金利の計算ってエクセルを使えば正確な数字が一瞬で出るんでしょうが、「ローン計算シュミレーション」という素晴らしいサイトもあります。
https://www.loankeisan.com
問題の正解は「約184万円」でした。
借入金の返済からは何も生まれない
プロローグを読まれた方の中には、気づかれた人もいるかもしれません。
今回の金融クイズは、私の実家の商売のケースの近似値になります。
毎月、毎月、180万円ぐらい借金の返済で支払わなければならない状態です。
1回だけ180万円払って終わりじゃないですよ。
しつこいようですが、毎月です!
家業は料理屋です。
180万円あれば、どれだけの食材が買えるでしゃうか?
何人の人を新たに雇って、その給与の支払いに充てる事が出来るでしゃうか?
どれだけの広告宣伝費、設備投資が出来るでしょうか。
借入金の返済というのは、事業を運営する上で全く何も生み出さない支出になります。
こういう感覚を持つ事が大事です。
と言っても、借りたものはしょうがないです。
(俺が借りたんじゃ無いのに!!畜生!!)
必要以上の借入は有事の際に苦しくなる、事業家を志す人はこれを押さえておいてください。
次回予告「平時と有事」
先程、「有事の際」という言葉を使いました。
「有事」の対義語は「平時」です。
事業を行う上で、「平時と有事」という概念はとても重要になってきます。
と言うのも、平時と有事では、全く戦略の方針を変えなければなりません。
第2話では、この「有事と平時」について解説したいと思います。
次回に続く。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
平時と有事。
言葉を国家規模に替えれば、治世と乱世。
三国志の英雄の一人、曹操は若かりしとき有名な人相見に「治世の能臣、乱世の奸雄」と評されたそうである。
曹操みたいな大人物など世の中にはほとんどおらず、現実では「治世の能臣」は「乱世の凡人」であるケースが多いのでは無いでしょうか。
それは何故なのか?その謎に次回は迫ってみたいと思います。
この連載で、知識とスキルと戦略を身につけて、乱世でも逞しく生きる人が増えることを願います。
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事業に関わる「お金」のリアル【プロローグ】
どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。
料理人の皆様の中には、独立を志している方も多いでしょう。
もしくは、既に自分のお店をオープンさせた人もいるかもしれませんね。
事業を行う上で切っても切れないのが「お金」の話。
今回から何回かに分けて、お金について書いていきたいと思います。
題して「事業に関わる「お金」のリアル」
今回は本題に入る前のプロローグになります。
どうぞよろしくお願いします。
私の経験を少しお話しします。
私は“元”料理屋の二代目です。
実際に料理屋の主人になったわけじゃないので
“二代目未遂”と言ってもいいかもしれません。
意味深な表現になりましたが、別に難しいことじゃありません。
僕が事業を承継するのを断念したからです。
最大の理由は事業の資金繰りが回らなくなってきたからです。
結果的に父の代で廃業することになりました。
会社の経営が苦しくなってからは、父とは言い争うことが多くなり、「あそこの店は親子の確執が原因で潰れた」とか「息子が(つまり、僕が)アホやから」とか言う人も中にはいました。
それも一部分は正解なんですが、確執の根本の原因は「儲かってないから」っていうところに集約されます。
父とは廃業の直前まで喧嘩ばかりしていましたが、「10年以内の廃業率が90%」という業界で30年以上も店舗を存続させた父は立派だと思いますし、今でも尊敬しています。
廃業の数年前のことです。
父が病気を患い療養することが多くなり、お店の運営の舵取りを、僕が事実上しなければならないことになりました。
お店は前述の通り、あんまり儲かってない状態です。
偉そうに書いてますが、要は父の広げた風呂敷を畳む係。単なる敗戦処理投手です。
数年は頑張ってみたものの、結果的に事業は廃業。
我が家には数億円の負債が残りました。
20代の後半から30代の序盤のことです。
色々とありました。
円形脱毛症にもなりました。
(昔撮った画像です。現在は完治しています。)
某料亭での修行時代、早朝6時30分始業・深夜の2時とか3時に終業という殺人的スケジュールで働いていたときも
円形脱毛なんかならなかったのに!!
失敗に学ぶ
儲かってる会社の経営者のキラキラした成功体験は世の中に溢れています。
本屋に行けば、数百円の文庫や新書の中から沢山探すことが出来るでしょう。
インターネットを検索すれば無料で読めるものも多いかと思います。
しかし、儲かってない経営者の体験というのは世の中に出回ることは、成功者の体験に比べて圧倒的に少ないです。
身内の恥を晒すことになり、これを公開するのは躊躇いました。
しかし、若いうちに結構キツイ経験をした私だからこそ書けることもあるのではと思い筆を取ることにしました。
料理店・飲食業界の人だけでなく、全ての人に通用する内容になる部分を抽出して書いていけたらと思います。
なぜなら、法は全ての人に平等だからです。
僕の身に起こったことは、きっと誰かの役に立つことと信じています。
我が家に届いた催告書の一部分。少し見にくいですが、興味がある方は拡大して見てくだされ。
1通目から金額が約2億円。
ふざけんなよ!!
「誰が払うか!!そんな金!!」
次回に続く。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
西原理恵子さんの「できるかなV3」の中に収録されている「脱税できるかな」は非常に示唆に富んだ怪作です。
- 作者: 西原理恵子
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【プロが教えるレシピ!】超簡単!『昆布の佃煮』の作り方
どうも、美食学研究員 あとむら(@gastronomy_work)です。
この時期になれば、毎年自宅で昆布の佃煮を焚きます。
めっちゃ簡単に作れて美味しいです。
今回はレシピを紹介します!
それでは、早速作っていきましょう。
超簡単!『昆布の佃煮』の作り方
材料
材料
- 昆布 40グラム(乾燥した状態)
- 水 700cc
- 山椒 40グラム(お好みで調節してください!)
【調味料】
- 酒 50cc
- みりん 50cc
- 砂糖 50グラム
- 醤油 50cc
調味料の割合は【1:1:1:1】です。
めっちゃ簡単ですね。
作り方
1.昆布を水に浸ける。
まずは昆布を水に浸けます。
昆布は四角にカットしたものが売ってますので、それを使いましょう。
圧倒的に時間の短縮になります。
昆布40グラムに対して、水は700ccほど。
ひたひたになるぐらいまで水を浸けます。
だいたい1時間〜3時間ぐらいで昆布が戻ってきます。
長く浸けておく分には問題無いので、前日の夜に浸けておけば、待ち時間無く調理出来ます。
『昆布の佃煮』を作るときのコツは?
ポイントは昆布を水でしっかりと浸けるところです。
市販のものよりも柔らかく仕上がって美味しいですよ!
保存の方法は?
タッパーや密閉容器に移し替えて、冷蔵庫で保存します。
出来るだけ空気に触れないように、ラップをベタっとくっつけてください。
だいたい2週間ぐらいは日持ちしますよ!
職場の人間関係の改善するたった一つの方法
どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
今回はは職場の人間関係について悩む方に向けて記事を書いています。
悩み多き五月
ゴールデンウィークも明けてしまいましたね。
昔から「五月病」なんて言葉もあるように悩みの多い時期かと思います。
春先は多くの職場で退職や入社。
上司や仲間、さらに自分自身の異動といったイベントが起こります。
新しい環境にすぐに馴染める人というのは稀で、環境の変化に戸惑いや気苦労が他の季節よりも多くなります。
ゴールデンウィーク明けの時期は、そのストレスの蓄積が爆発しやすい時期です。
調理場の人間関係
多くの人にとって仕事の悩みのほとんどが「人間関係」ではないでしょうか?
多くの場合、調理場は共同作業の場です。春から、新しくその一員となった方々もおられると思います。
調理の仕事と言うと、技術的なものばかりに気を取られがちです。
しかし、人付き合いの上手い下手というのが仕事の成否に大きく関わってくるものです。
いくら技術的に優れていたとしても、人付き合いの上手くできない人というのは、あまり認められないものです。
人付き合いの上手さというのは、持って生まれた性格に左右される部分もあると思います。
しかし、マインドセット次第で身につけることが出来るものです。
人付き合いというのは一朝一夕で身につくものではありません。
技術の習得と同時に人付き合いも学ぶ必要があります。
そして、そのための第一歩は驚くほど簡単です。
人付き合いも仕事のうち
「あの人は絶対に無理!!」
そう思うこともあるかと思います。
これは人間関係に限らず、仕事の全般に言えることかもしれませんが、何か問題が起こったとき外部に原因を探してはいけません。
不都合を他人のせいにしたり、環境や時代のせいにしたり、外的要因を言い訳をすると、その問題は自分の中で「解決済み」の心のフォルダに入ってしまいます。
そして、その時点で自分の成長が止まってしまいます。
人間関係で悩みが生まれた場合、まずは「自分に問題がないか」「自分が相手に合わせる」ということを考えましょう。
上手く柔軟さを持ってください。
それは「自分の意志や主体性が無い」ということとは違います。
自分が変われば、多くの場合で相手も変わるものです。
まず、 協調心が無く、自信過剰、自分本位などの態度は嫌われるので気をつけましょう。
ミスをしたり、怒られたときも切り替えが早い。
同じことを何度も聞かない。勝手に行動しない。後輩の面倒を良く見る。
こういう人は多くの先輩から好かれることとなり、仕事を教えて貰えるチャンスも多くなるでしょう。
当たり前のことで、言われなくても普通に出来る人もいるでしょう。
とは言え、生まれ持った性格もあるので、すぐに変わるのは難しいと思う人もいるかもしれません。
職場の人間関係の改善するために必要なたった一つの方法
どうしても自分は周りの人に合わせることが出来ない。
そんなときに簡単に出来る有効な方法があります。
「大きな声で挨拶をしっかりする」
これだけです。
お腹の底から声を出す。
そして、このときドラゴンボールのキャラクターが「“気”の解放」をするときをイメージしましょう。
大きな声を出すというのは、最も簡単な身体的な動作を伴う行動です。
精神を前向きにする前に、身体を元気にするのです。
身体と精神は繋がっているからです。
気持ちだけでもスーパーサイヤ人になりましょう。
それだけで周りがあなたを見る目も変わります。
イチロー選手もバッターボックスに入ったとき、全く同じ動作を必ず行うことが知られています。
「どんなに気持ちが揺れていても、いつもどおりの作業をすることで、自然にバッティングの気持ちに切り替えることができるんです。僕にとってはいつもどおりにすることがプレッシャーに対処するための唯一の方法ですね」
とは言っても
まあ、しかし、世の中には一定数の「変な人」がいて、自分の個人の努力や工夫ではどうしょうもないこともあるので、そこの見極めは上手くやりましょう。万が一、変な人に遭遇してしまったら、上手く逃げることも大事なことです。
★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆
関連記事:人から尊敬されるのも人間関係で大切です
- 作者: 鳥山明
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「キング・オブ・ロック」忌野清志郎と「運」や「偶然」に関する考察
雨の降る5月は少し寂しい気持ちになる。
むかし、キングと呼ばれた男がいた。
「いた」と過去形で語るのは適切でないかもしれない。
それには、まだ過ぎた時間が足りないように思う。
少なくとも僕の中では、今でも彼はキングだ。
もう今は彼はどこにもいない。
9年前の今頃にこの世を去った。
彼のデビュー作のタイトルは
「宝くじは買わない」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
ある程度の年齢になれば、人は誰しも人生には自分の努力ではどうしょうもない、「運」とか「偶然」としか言いようのないものがあることを否定できないだろう。
宝くじは運や偶然だけで全てが決まる。
しかし、それに人生を賭ける人は誰もいない。
ささやかな夢を見るために余ってるお金で宝くじを買う人はいても、生活費を稼ぐために宝くじを買う人はいないのだ。
本来、「運」や「偶然」とはチャンスと準備の交差点である。
例えば、戦国時代の日本の歴史を大きく動かした鉄砲。
日本に鉄砲が伝来したのは、1543年頃に、たまたまポルトガル人が種子島に漂流したのがキッカケとされている。
しかし、何のキッカケもなく、ポルトガル人の乗った船がたまたま偶然にも、地球の裏側の日本の近海で漂流するわけでは無いのだ。
当時、ヨーロッパではカトリックがプロテスタントに物凄く追いやられてて、このままではカトリックが滅びてしまうという状況になっていた。
そこで、カトリックは世界中に活路を見出して布教活動をしていた。
日本近海で漂流していたのは、その布教活動の過程だった。
さらに重要なのは、キャラック船や羅針盤の発明といった技術的な進歩。
こういうバッググラウンドが存在するのだ。
この世界に「運」とか「偶然」だけで物事が決まることというのは、実はほとんど無い。
人生に幸運を引き込むためには、目の前の準備を積み重ねていくのが大事である。
宝くじを買う行列に並んではいけない。
滋賀県の日本酒「松の司」きき酒会に参加しました!
「松の司」きき酒会!
どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
なんと今年で34回目
会場は滋賀県の草津市。
クサツエストピアホテルです。
JR草津駅から徒歩5分ほどです。
最近はこの会場を使われてることが多いようですね。
単に「松の司」と言っても多様なラインナップ
単に「松の司」と言っても、色んな種類があります。
今回は無料で試飲できる物が14種類+有料試飲4種の全18種類のラインナップでした。
色んな種類がありますが、それぞれ違った味わいです。
個人的な感覚ですが、「松の司」は香、酸味、旨味(甘味)のバランスが良く、とても美味しいです。
米の産地で変わる味わい
「竜王山田錦」、通称「ブルー」と呼ばれる品種です。
少しわかりにくいですが、ラベルの横に書いてある「加与丁」「橋本」「山中」というのは、山田錦という米の取れた場所です。
普段、お酒屋さんで売っていたり、飲食店で提供されたりするものは、これらをブレンドしたものですが、今回は別々に醸造されたものを飲ませていただきました。
同じ精米、醸造方法で作っていても全く別の味わいで、日本酒作りの難しさ、奥深さを感じました。
ワインなどでも、ブドウの獲れる地域の気候や土壌で味が変化しますが、日本酒も同じことなのだということが良く理解できます。
料理についても、「素材の差」が「完成品の味の差」になるというのは同じ事が言えるかもしれませんね。
まとめ
きき酒会や試飲会というものに参加したのは今回初めてだったのですが、物凄く勉強になりました。
正直に言うと、日本酒は(ある程度のレベルになると)高価なものが美味しいとは限らないのが面白いところですね。
こういう機会があれば、次も参加したいと思います。
「唎酒師(ききざけし)」の資格なども勉強してみても面白そうです!
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料理の世界に天才無し
料理の世界に天才無し
どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
前回の記事では、才能よりも努力が大切だということについて書いてみました。
「はてブ」してくださった皆様、ありがとうございました。励みになります。
料理の世界にはスポーツや音楽、またビジネスの世界とは違い、若き天才や、ベテランより凄い成績を上げるゴールデンルーキー、というのは居ません。これからも出てこないでしょう。
というのは、数え切れないほどの多くの知識や技術が必要である、というのが1つの理由ですが、もう一つ大きな理由は人間の味覚にあります。
年齢と共に変化する人間の味覚
子供の頃を思い出してください。
親が飲んでいたビールを一口、あるいは泡だけ、という形で飲んだことがあったでしょうか?
「マズッッ!なんで大人はこんなもの飲んでるんだ!!」と思いませんでしたか?
しかし、大人になった今では「仕事終わりのビールが最高や!」なんて言うてる人も多いでしょう。
人間の味覚は年齢と共に変化します。
味覚だけで無く、歯や内臓といった消化器官の働きも年齢と共に変化していきます。
20代の頃はボリュームのあるもの、濃いものや脂っぽいものに抵抗が無くても、年齢が上がってくるとキツくなってくるものです。
子供にビールの味がわからないのと同じように、20代、30代の人に50代の好む味はわからないし、50代の人に70代、80代の人の好む味はわからないのです。
自分が経験していないことは、習ったり想像することしか出来ません。
もちろん、たまたまヒットが打てることもあるでしょう。しかし、技術を本当に自分のものとして、狙ってヒットが打てるようになるには経験が必要不可欠です。
私もまだまだ若手の部類。
研鑽を積んでいきたいと思うものです。